2017年05月28日 (日) | Edit |
(注意)ネタばれ有り。

流行に便乗しました。
アニメ映画「君の名は。」は未見です。あらすじもぐぐって調べたりしていません。見るともなく目に入ってくる情報から、「男女入れ替わり物語」かと当て推量しています。

「男女入れ替わり物語」として、たまに「その後」が気になってる作品が、タイトルに挙げた「換身」。
それに触れる前に、「男女入れ替わり物語」をいくつか語りましょう。


サトハチロー「あべこべ物語」

図書館で読んだなあ。
兄と妹が入れ替わるお話です。途中経過は殆ど覚えてなくて、覚えてるのは、兄さんがKYなのか、入れ替わってるのに、即ち、妹の姿だってのに、「僕は将来、帝国大学に進みます」と宣言して、周りの大人をびっくりさせていた場面くらいです。
元に戻った二人は、互いの立場を経験したことから、今までより、相手を思いやることの出来る仲の良い兄妹になりました、との結末でした。


篠原健太「SKET DANCE」15巻

15巻収録の「修学旅行」編は、好意的に紹介すれば、「男女入れ替わり物語」のタブーに挑んだ一本です。
ひらたく言えば、「排泄」と「入浴」を詳細に描いています。

密林さんのレビューを拝見すると、賛否両論で、否が少々多いかな?
生々しくって、わたしもあまり好きじゃありませんが、その点は脇に置いて、なんとなく、「人間は心と体でワンセットである」と再認識させられる展開でした。
(「心」と書きましたが「魂」「精神」「人格」など)

人物AをA足らしめているのは、Aの心だけでなくて、Aの体もそうなんだと。
ちょっと考えがまとまらないので、ここまでにしときます。


いしかわえみ「絶叫学級」10巻

10巻収録の「男の子 女の子」。
パラレルワールドもの。A世界に男に憧れる女の子がいて、B世界に女の子に憧れる男の子がいて、互いにそうと知らず入れ替わって男の子ライフ、女の子ライフを過ごすお話、なのですが、実際になってみると幻滅することも多いうえに、従来過ごしてきた性別での意識が体にあってなくて、結果、頓珍漢な振る舞いになってトラブルを引き起こしてしまいます。
結末は、「絶叫学級」らしいバッド・エンドでした。


「藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版(1)」

さて、ブログ・タイトルに掲げた、第1集に収録されている「換身」です。

おおざっぱに紹介すると、婚約者である男女が入れ替わり、元に戻ろうと四苦八苦したけれど、どうにもならないので諦めて、入れ替わったまま生きて行こうとする結末でした。
男(入れ替わっているので外見は女)が「君は僕についてくればいいんだ!」と力強く宣言し、女(外見は男)の手を引き導くようなラストシーンでした。
女は男の言葉を受けて「すてき」と呟き、通りがかりのおじいさんが、びっくりした表情で何か言ってました。
(手元に本がないので記憶頼りの紹介です。)

このラストシーンが記憶に残っていて、思い出すたびに、この結末場面からして、多分、1970年代の作品じゃないかなと推測していました(理由は後述)。

ありがたいことに、Wikiに項目ができていたのでリンクします。

外部リンク:【藤子・F・不二雄のSF短編「換身」】

Wikiの情報によれば、発表は1972年。
まさに推測通り。
わたしが70年代だろうと推測した理由は、結末が当時の社会現象であったウーマン・リブを「意識」したものに思えたからです。

そして、今、「意識」の単語を用いたのは、作者さんの意図がわからないからです。
揶揄なのか否定なのか肯定なのか。

作者さんの意図はともかく、このラスト、「その後」が気になります。
(Wikiのおかげで人物名が判明したので、ここから先は名前を用います。)

婚約者同士である海野五郎と森山みどりは入れ替わったまま二人で人生を歩むことにしたみたいですが、果たしてうまくいくでしょうか。

海野五郎は「君は僕についてくればいいんだ」と、森山みどりを養う気満々ですが、外見は女ですよ。
そして、時代は雇用機会均等法が施行されるはるか以前の1972年ですよ。
同年には東急機関工業地位保全仮処分申請事件(女子若年定年制)の和解が成立していますが、「女は30歳で定年」との規則が公然とまかり通っていた時代でもありますよ。

仕事を続けること自体、難しいかと思うし、続けられたとしても、事務職からでは?そして、女性の賃金は男性より少ないですよ。「僕についてこい」と言えるほど稼げませんよ。

さらに気持ちの問題もあります。
外見は女の海野五郎はが、仕事の場で生きていけるのでしょうか。
「生きていけるか」なんてオーバーな表現に聞こえるかもしれませんが、21世紀の現代でも、女性差別はなくなっていません。
そして、男は男であるだけで下駄をはかされています。いわんや、1970年代においておや。

外部リンク:【女性の名前で仕事のメールを送ってみたら......見えない差別に気づいたある男性の話】

女であれば、女であるだけで差別を受ける事実を子どものころから嫌と言うほどに、肌身に沁み込むほどに知っています。
だから、仕事に生きるにあたってある種の「覚悟」があるでしょう。

しかし海野五郎は男です。
今まで男で生きていた人が、女として生きていけるでしょうか。差別をくらって対応できるでしょうか。
良くも悪くも、女であれば、差別されることへの対応力があります。しかし、男であれば?

彼の姿は女です。
がんばってもがんばっても、まず、稼げる職務につくことすらできない可能性があります。
仮に場を得ても、評価も手柄も男の同僚、上司に引っさらわれるでしょう。
異議を申し立てれば、「女なんだからここは男をたてて。彼には妻子があるんだよ?君はいざとなればご主人に養ってもらえばいいじゃないか。ああ、そういえば、ご主人は無職だったねえ。無職のご主人を養ってるのかい。君が仕事に没頭にするのがいけないんじゃないか。ご主人をたててあげなきゃねえ」とねじくれた理屈で斥けられるでしょう。

さらに、下ネタ入ってすみませんが、性生活とか妊娠・出産はどうするんでしょう。
男女入れ替わったんだから、性行為は可能といっても、気持ちの問題ってものがあるでしょう。
子どもが出来たら、男の海野五郎に妊娠、出産の覚悟があるんでしょうか。

想像すれば、想像するほど、バッド・エンドしか思い浮かばず、後味悪いお話です。
(作者さんの意図がわからんのも後味の悪さを増加させてます。ウーマン・リブを揶揄してるように思えて。。。)

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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2017年05月19日 (金) | Edit |
(注意)再録も有ります。過去いただいたコメントは未再録です。コメントありがとうございました。

◆公爵夫人の死

コンスタンシア・デ・カスティーリャ。
エドワード3世の三男であるランカスター公爵ジョン・オブ・ゴーントの妻(カスティリア王ペドロ1世の娘)。

彼女が夫に先立って死ななければ、ジョン・オブ・ゴーントが長年の愛人キャサリン・スウィンフォードと再婚することもなく、庶子たちを嫡出子に直すことはできなかった。

嫡出子に直された庶子たちの子孫の存在が、リチャード3世敗北の原因だった、と決めつけたりはしません。
彼・彼女らが嫡出子とされなくても、別の要因がリチャード3世を苦しめ、結局ボズワースでの敗戦に繋がったかもしれないのだから。

けれど、コンスタンシアが夫より長く生きていてくれていたら・・・と思わずにいられません。
女は男より寿命が長いというのに(※)。
コンスタンシアは夫より14歳も年若かったのに。
せめて、あと5年生きていてくれていたら・・・、と。

(※)女は男より寿命が長い
現代の日本の傾向です。
14世紀、イングランドにおける寿命の男女差については知りません。

2017年05月10日 (水) | Edit |
再録ですが、過去いただいたコメントは未再録です。コメントありがとうございました。

◆賢妻の条件

「王妃さまは頭のいい人なのね。何年もエドワードの寵愛をつなぎとめておくほどだから間違いないわ。その秘訣は言うまでもないこと。国王の数知れぬ情事に目をつぶる――私が王妃さまの立場だったらそんなふうにできたかどうか心許ないわ。(後略)」

(ジーン・プレディー著「リチャード三世を愛した女」p311、リチャードの妻アンの母親が、国王エドワードの妃エリザベス・ウッドヴィルを評したセリフ。太字強調はわたし)



ちなみに国王エドワード4世は、かの「時の娘」(ジョセフィン・ティ著)にて、グラント警部が、「チャールズ2世を除き、我が国最高の女好きの王様だった」と言及しています。(「村毎に私生児有り」との逸話を読んだ覚えもあります)

2017年05月01日 (月) | Edit |
(注意)ネタばれ有り。





  
石川オレオ「黒脳シンドローム」1巻、2巻、3巻
(読みは「くろのう・しんどろーむ」)


LINEマンガ連載サスペンス・ホラージャンル読者数堂々1位!!
「元の体を返してほしかったら、マネキンゲームに参加する?」
交通事故で瀕死となった高校生・雪村は、"全くの別人"の姿で目を覚ました。
スピーカーを通じて謎めいたミッションが下され、命がけのゲームが幕を開ける!!緊迫のサスペンススリラー!!【LINEオリジナル・フルカラー】
(1巻内容紹介より引用)



3巻まで読んだ時点での感想になりますが、読み易い作品でした。
ここでの「読み易い」は「お話が単純」ではなく、「不快な点がなかった」との意味です。

(追記.掲載サイトにリンクしときます。何話か無料で読めます。
外部リンク:【【連載マンガ】LINEマンガ「黒脳シンドローム」】