1902年01月16日 (木) | Edit |
【過去固定エントリ】

★情報求む★
リウィアの「犯罪」について、肯定派の研究書・論文をご存知の方、お知らせください。(歴史一般書は不要)
「犯罪」には、マルケルス殺し、ルキウス・カエサル殺し、ガイウス・カエサル殺し、アウグストゥス殺し、アグリッパ・ポストゥムスの追放と死を含みます。

★募集動機★
れっきとした研究者の方々が、いかなる考察を経て、その推定に至ったか拝読したいから。
立場が違うからこそ「否定派」であるわたしにとっても、益になると確信しております。
なお、犯罪者肯定派であるからといって、拝読後、弊ブログで批難することはありません。(なんらかの言及、あるいは「物事に検討を加えて、判定・評価すること」の意味での「批判」はするかもしれませんが)
ご存知の方、よろしくお願いします。
感謝の言葉しかお礼はできませんが、どうかよろしくm(__)m。



以下、わたしが知る範囲での肯定派かもしれない方と、あきらかに肯定派の方。

◆肯定派かもしれない方、X教授

イニシャル・トークであるのは、X教授が肯定派か否か、確信がもてない為です(汗)。
ユリ・クラ朝の形成過程におけるリウィアの立場にも言及されている、二件の論文を拝読した限りでは、タキトゥス及びディオ・カッシウスの「噂」を引用なさる一方で、それら「リウィアの『犯罪』」を否定していらっしゃらない為、「消極的肯定」かな~との印象を受けました。

X教授が消極的ながらも「肯定」しておられるように印象づけられる「犯罪」は、(論文を読む限りでは)アグリッパ・ポストゥムスの追放と死のみで、その他についてのお考えは不明です。

ただし、論文とは別の機会に拝見した、とある「監修」事項では、ガイウス・カエサルの死、ルキウス・カエサルの死についても、消極的肯定ではないかと思われる文脈でした。

論文自体はいろいろと参考になる点が多く(アウグストゥスの晩年の後継者争いの流れとか、女性の立場への考察等)、ありがたく拝読いたしました。

なお、イニシャルはご本名とは無関係です。念のため。


◆間違いなく肯定派と呼べるのは、「ローマの愛」の著者ピエール・グリマルさん。

同書の訳者あとがきによりますと
「著者ピエール・グリマルはフランスにおけるギリシア・ラテン文学の大家であって、長くソルボンヌの古典学の教授をつとめ、ことにもラテン文学の権威として広くその名を知られた人物である」
とのことなので、れっきとした研究者であられます。
(参考リンク:Pierre Grimal

「ローマの愛」の第8章中、アウさんとリウィアの愛について語るグリマルさんの文章からは、二人への強い嫌悪が黒いオーラとなってたちのぼっています(苦笑するしかないわ、ハハハ…)。

嫌うには理由があるってことで、どうやらグリマルさんは、アウさんの不貞と、それを黙認していたリウィアの振る舞いが、「愛」に対する裏切りとして許せないご様子です。

★PR★リウィアが夫の不貞に寛大であった点については、弊サイト「磨羯宮(まかつきゅう)」でも考察しています。
興味のある方は、「知ってるつもり!?」内の「貞淑と裏切り(1)」をご覧ください。


肝心の「犯罪」についての見解は、マルケルス及び、ガイウス・カエサル、ルキウス・カエサルの死について触れた後、続けて

今日では、リウィアが運命の手助けをしたのだと敢えて言う人はいないが、それでもこの連続した死は彼女にたいへん有利に働いたので、どのように疑われても仕方がない。



さらに、アグリッパ・ポストゥムスの追放、小ユリアの流刑については、

アウグストゥスとスクリボニアの最後の子孫の一人一人を襲う悲劇はリウィアが忍耐強く動かしてきた政治の一番最後のエピローグではなかったかと思わざるをえない。



とにかく、グリマルさんが「リウィア犯罪者説肯定派」であることは、よーく伝わってきます(苦笑)。

ただし、文章をお読みいただければわかるように、具体的な根拠はありません。
「連続した死は彼女にたいへん有利に働いた」から、「怪しい」、その程度です。

だからご本人も、回りくどい言い方の果てに、
「どのように疑われても仕方がない」
「思わざるをえない」
と、かなり主観的な表現にとどめておられます。

結局のところ、、間違いのない「事実」として「断定」できない状態なのですよ。

リウィアの「犯罪」は、史料には「噂」「伝聞」の形で残されているものばかりであり、「肯定」にせよ、「否定」にせよ、決定的な新証拠でも発見されない限り、他の状況から総合的にとらえたうえでの、「推定」に留まるものでありましょう。

リウィアを嫌い、心情的には「犯罪」を肯定しつつも、断定できないことに断言を避けたグリマルさんは、やはり立派な研究者であられます。

…ということで、常識ある研究者の、学問的良心に則った言であれば、立場が真反対の「肯定派」であっても、わたしは、ちゃんと認める(※)ことを理解していただけたでしょうか。

ですので、リウィア犯罪者説肯定派の論文、研究書をご存知の方、どうか、警戒せずにお知らせくださいませ。
見解が異なるからこそ、学びたい、知りたいと思います。

しかるにリウィアは帝政ローマの創始者にふさわしい、理想的な伴侶であった。

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