1902年01月19日 (日) | Edit |
モンテーニュの「エセー」にリウィアを誉めている記事があるよ、と教えていただきました。
教えて下さった方は「エセー」第24章(キンナの処断に苦悩するアウグストゥスにリウィアが助言する場面)を指していらしたのですが、第31章が可笑しかったので紹介します。

ある大学で平安時代について講義をした先生が学生に感想を書かせたところ、「一夫多妻がうらやましい」とコメントした男子がいたとか(笑)。
わかっちゃいないね、この男の子。
奥さん一人でも、生身の人間だからいざこざが生じるのに、複数だとトラブルが人数倍どころか複利で増えかねませんよ。
君は、「蜻蛉日記」を読んだのかい?

しかも、奥さんたちにはそれぞれ実家があります。
舅姑が奥さんの人数分だけ増えます。
後三条天皇は息子の白河帝に、「妃たちにはそれぞれ実家が後ろ盾にある。寵愛がなくとも、ないがしろにして恥をかかせるようなことがあってはならない」と心得を言い聞かせています(出典未確認)。
君に、妻の数だけの家族関係に対応していく繊細にしてタフな精神はあるのかい?

この男の子の頭の中は察しがつきます。
一夫多妻のやっかいな面は素通りして、というより、想像もできなくて、女たちに囲まれてウハウハ状態しかなかったのでしょう。
「ToLoveる ダークネス」でも、「楽園」に「ハーレム」とルビをふってたな~(苦笑)

そんなウハウハ状態を夢見る男は、16世紀にもいました。

その国では男たちは数人の妻を持つ。(中略)彼らの妻は他の何にも増して夫の名誉を重んずるから、できるだけ多くの女を得させることに心をくだく。(中略)これが本当の夫婦の美徳であり、しかももっとも高級な美徳である。(中略)リウィアは自分が損をしてもアウグストゥスの情欲を喜ばせた。
(モンテーニュ「エセー」第31章より)



「これが本当の夫婦の美徳であり、しかももっとも高級な美徳である。」と力説しているあたりが笑えます。
この助平!!

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

追記.
書こうか書くまいか迷ったので、本文ではなく、追記の形で引用と一言のみ書きます。

「飯をくわない女なんてこの世にいるはずないのに、それを望む男と、愛人の存在に平気なはずの女がいるはずだと考える男は同じなのよ」
「自分にとって都合のいいことだけを望む男は、結果的に二口女を呼び込むことになるのよ」
(山岸凉子「二口女」より引用)(「甕のぞきの色」に収録)


そして、自分にとって都合のいいことだけを望む女もまた、二口女の男ヴァージョンを引き寄せるのでしょう。

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