2014年05月11日 (日) | Edit |
ひょっとすると、和書で唯一、アウグストゥスの愛妻としてのリウィアと、甘々の二人が読める本かも…。

なのに、失礼ながら、なんでこの絵なんだろう。
さかもとさんが作画も含めて誠実に取り組んでおられるのは伝わってきます。
オクタビなんて気合いをいれまくって、美形に描いておられるのでしょう。
リウィアも、さかもとさんの絵柄の中で、美人さんとして描いているのでしょう。

ただ、わたし好みの絵柄からは、少々、いえかなりかけ離れてます。残念です。
とはいえ、本作への好意は減じてはいません。
絵柄への不満はさておいて、充実した良い内容でした。



気を取り直して感想を語ります。

◆アウグストゥスの一生が読める点で、超レアものです。
アクティウムの勝利で終わり、ではなく、その後の地味な、けれど歴史上重要な半生も描いています。
小堀磬子さんによる監修もしっかりしていて、歴史ファンにも楽しめます。

◆ユリアの「乱交」を、父の愛を求めるゆえと動機付けたのは、ベタだけど好き。
ただし、作中の露骨な性描写は読者を選びそうです。

「それは『公』の地位を個人的な血に基づいて継承させることしか頭にない人の考え方ですか?」
「あなたの頭の中でわたしは一度として継承者として考えられたことはなかったはずだ。
なぜか!
あなたの血が流れていない、ただそれだけのために!」



ティベリウスによくぞこのセリフを言わせてくれました。

「アウグストゥスの血をひかない」
「アウグストゥスの血につながる子孫を残していない」
これだけ、これだけですよね、ティベリウスに瑕疵があったとすれば。

アントニウスのセリフに「オクタウィアもフルウィアもクレオパトラもみな己を貫くことを知っていたのに」とあり、淑やかなオクタウィアもここに並んでいることが注目に値する。男権の強い世界にあって、良妻賢母のオクタヴィアもまた、それなりに己を持った女として扱っている点も好ましい。
(「レーヌスのさざめき」内「マンガ ローマ帝国の歴史 2」より引用)



リンクしたレーヌスさまの感想を拝見して気がついたのですが、淑やかさ、従順さゆえに、パトラものにおいて、見下されるオクタウィアが「クレオパトラとは異なる形であるが、己を持った女」として扱われています。

女の味方面しているくせに、「自立した栄光の女(クレオパトラ)」しかヨイショできないパトラ作家よりも、はるかに立派な目線です。

◆冒頭で絵柄について不満を述べましたが、キャラクターの姿かたちおける「老い」をちゃんと描いている点は好きです。

そして、オクタウィアヌスがほとんど表情を変えてない点も。
カエサルの表情の豊かさとは対照的で、ちゃんとキャラクターの個性を描き分けているなと思いました。

◆この作品で、わたしの一番の評価箇所は、やはり、「アウグストゥスの愛妻としてのリウィア」を明記し、「リウィアとアウさんの甘々っぷり」を描いてくださったこと。

「そして妻のリウィア以外ほとんど理解者を得られないような状況の中で、アウグストゥスは元老院から『国家の父』の称号を贈られる。」

「わたしにはガイウスとルキウスがいる。(中略)そしてお前、それだけで十分だ。」



こういう嬉しいナレーション及びセリフを目にする機会が皆無なので、読んでて照れてしまいます。
でも読み返さずにはいられませんw

やはり瑕瑾は絵柄だな・・・(まだ言うか、自分)。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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コメント
この記事へのコメント
たしかに!
おひさしぶりです!
僕も最近、さかもと未明作画「マンガ ローマ帝国の歴史2」に手を出しました。確かに、アウグストゥスの愛妻としてのリウィアと甘々の二人が描かれていましたね。そして、もっと美化されても良いのではないかと思いました(笑)。その後の、アグリッピナに関しても、母親共々凄い顔で描かれていましたが、どこかネロを思う母親の部分も感じられて良かったです。西洋書籍ではアグリッピナは出しゃばりな母親と描かれやすいですからね~。。。
もっと、アウグストゥスと愛妻リウィアの温かいエピソードが描かれてほしいです。
2014/05/13(Tue) 12:23 | URL  | Josh #r13xZNus[ 編集]
Re: たしかに!
>Joshさま

こんばんは。さかもと本をお読みになりましたかw?
和書では他に見当たらない、甘々なアウ&リウィが読める希少本です。

>もっと美化されても良いのではないかと思いました(笑)。

そうですね~。
この時代、クレオパトラさんばかりにスポットライトがあたって、アウグストゥスはもちろん、リウィアも影が薄い存在でしたから、どんどん美化されてもいいと思います!
(いや、過剰な美化はちと困るかも・・・)

>その後の、アグリッピナに関しても、母親共々凄い顔で描かれていましたが、どこかネロを思う母親の部分も感じられて良かったです。西洋書籍ではアグリッピナは出しゃばりな母親と描かれやすいですからね~。。。

手元にあるのが二巻だけで、三巻はよく覚えてないのです。
なんだか、性描写がさらにエスカレートしていたような・・・!?(読者を選ぶんじゃないかとハラハラした覚えが)
借りれる機会があったら読み直しますが、アグリッピナ&ネロ母子も、一味違う描写だったのですね。
やはり、人物造形や歴史的な内容の盛り込みには、作画のさかもとさんが誠実に取り組んでおられたのだと伝わってきます。

> もっと、アウグストゥスと愛妻リウィアの温かいエピソードが描かれてほしいです。

同感です。
アウ&リウィのほのぼの、いちゃいちゃに飢えてますw
2014/05/13(Tue) 20:26 | URL  | サラ #ndrEhoxc[ 編集]
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