2014年08月24日 (日) | Edit |


Part1  Antony in the East(41B.C. to 40B.C.)

リウィアが本格的に登場します。
従順な妻の振舞いの下に、大きな野心を秘めた女として、アントニウスの邸宅に現れます。

「いつも通り、落ち着いた態度で、クリーム色の瞼を伏せて、アントニウスの邸宅に入った。
これが彼女の最も良い外観だと知っていたからである。
またいつも通り、少し下がって夫ネロの後に従う形であった。良き妻はそう振る舞うからであり、リウィアは良き妻であることを誓って(vow)いた。」

アントニウスのフルウィアへの仕打ち(※1)を聞いた彼女は、決して、フルウィアのような立場に自分を置くまいと誓って(swear)いました。

フルウィアに続いて、リウィアはホルテンシアを連想します。
ローマ史上でただ一人、指導者たちを向こうにまわして、選挙権を持たない女が、税を課されるいわれはないと、演説してのけた女。ホルテンシアは血を流さず勝利した。三頭官たちに著しい気まり悪さを与えて。

リウィアのホルテンシアに対する評価はよくわかりません。賞賛しているのか、それとも、忌避しているのか。
後述するリウィアの権力行使の考え方からすると、ホルテンシアのことも、フルウィア同様、高く買っていないように思えます。

フルウィアもホルテンシアも、称える気のないリウィアですが、ハツカネズミ(憶病者の意?)のふりをする気持ちはありませんでした。
ただ、小さく、おとなしく、ほんの少し内気なふりをしていただけです。

そして、大きな野心(huge ambition)が彼女の中で燃え上がっていましたが、まだハッキリした形になっていません。この時点では、まだ「野心」とすら自覚してなくて、胸中のたぎる熱情をリウィア自身持て余しているような感じを受けます。
胸中の想いがどう形作られるか、どうすれば明確な形になるのかすら、わからない様子です。

そして、彼女はその熱い想いが、ローマ人が完全に受け入れる型に嵌ったものでなくてはならないと考えています。
女らしくない振る舞いがあってはならない。
彼女自身が出しゃばることをしてはならない。
おおざっぱなコントロールであってはならない。

という考え方なので、フルウィアは勿論、ホルンテンシアもモデルとしては、問題外でしょう。
だからといって、グラックス兄弟の母コルネリアの生き方も受け入れていません。

「コルネリアは女神のように崇拝されている。
それは彼女が不幸に耐えたからだ。子どもたちを産み、子どもたちの死を見送り、彼女が受けた多くの苦難に不平を言わなかったからだ。
いいえ。
リウィアは、高みに昇るために、別の方法あるはずだと感じ取っていた。」

リウィアが野心を抱く理由はよくわかりません。
やはり、夫クラ・ネロさんとの不幸な結婚生活のせいなのでしょうか?

では、次回、リウィアによる夫ネロさんの評価に続きます。


(※1)
アントニウスはフルウィアを殴って(あるいは、部下に殴らせて?)、離婚を通告しました。
「お金も資産も持たずに逃げてきたのよ。生きるためにはお金が必要だわ!」とむせび泣くフルウィアに、「自分の銀行家に相談しろ。おまえは金のある女だし、sui iuris(自分の財産を自由にできる女性)だからな」と応じ、召使に命じて、蹴り出しています。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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