2014年11月17日 (月) | Edit |
「リウィアがアウグストゥスを毒殺した」との破廉恥な風聞がたったのはなぜか?
「アウグストゥスがアグリッパ・ポストゥムスを追放先から呼び戻して支配権を与える様子を見せたから、そうなる前にアウグストゥスを殺したのだ」と動機づけられています。

このこじつけに理があるとして、一人忘れちゃいませんか?
アグリッパ・ポストゥムスの帰還で不利益を被る人間を。

ゲルマニクスです。

ティベリウスの次の元首と目されているのに、アグリッパ・ポストゥムスが帰還したら、後継権が後退します。

アグリッパ・ポストゥムスはゲルマニクスより年下です。
老齢のティベリウスと違って、長く生きる可能性が高いのです。
そして、アグリッパ・ポストゥムスは当時は独身でしたが、帰還し元首となれば結婚、子どもの誕生もあり得ます。
そうなると、アグリッパ・ポストゥムスの血統に帝位の系統が移り、ゲルマニクスと子供たちから元首の座はさらに遠のいてしまいます。

フェアプレイの精神を体現する(と、言われる)ゲルマニクスですから、「わたしは補佐役でよい」と身を引いたかもしれませんが、絶対首肯しないであろう人間が傍に控えています。

ゲルマニクスの妻の大アグリッピナです。

「動機があるから殺したのだ」との主張がまかり通るならば、すでに三人の息子を産み、ティベリウスの次代は夫のゲルマニクス、その次は我が息子たちにと野心を燃やしていたであろう彼女は、アグリッパ・ポストゥムス召還の噂を知り、手遅れにならないように、アウグストゥスを殺したとの推測も十分に成り立ちます。

アグリッパ・ポストゥムス帰還の噂が流れた時、大アグリッピナは夫とともに、ローマから遠く離れたゲルマニアにいました。
しかし、リウィアだって、遠く離れたマッシリア、リミアに暗殺の手を伸ばしたとの「疑惑」がかかっています。
であるならば、ゲルマニアにいたから、大アグリッピナによるアグリッパ・ポストゥムス殺しは不可能とは言えません。

このように、大アグリッピナもアウグストゥス殺しに仕立て上げることができるのです。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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コメント
この記事へのコメント
うぎゃあああああ!
なんと!アウグストゥス暗殺は大アグリッピナですか!?

なんとも耳の痛い話ですが、確かに可能性はありますよね。ティベと彼女の確執からすると。ちょぴっと反論すれば、ゲルマニクスがいたので、強欲さも抑えられていたのでは?とも思います。夫の前では、可愛い女子を演じていたような気もします。

それにしても、リウィアがアウグストゥス暗殺というサラさんの苦痛、今回擬似的にも体感できたような気がします。
2014/11/17(Mon) 13:01 | URL  | Josh #r13xZNus[ 編集]
Re: うぎゃあああああ!
>Joshさま

> なんと!アウグストゥス暗殺は大アグリッピナですか!?
> なんとも耳の痛い話ですが、確かに可能性はありますよね。ティベと彼女の確執からすると。ちょぴっと反論すれば、ゲルマニクスがいたので、強欲さも抑えられていたのでは?とも思います。夫の前では、可愛い女子を演じていたような気もします。

わたしはアウグストゥスは自然死だったと思うので、そもそも暗殺を信じていないので、ちょっとした脳の運動として考えてみました。
視点を変えれば、見方も変わる。
「アグリッパ・ポストゥムスの帰還」がアウグストゥス暗殺の動機ならば、彼の帰還によって不利益を被る人物はティベリウスを擁するリウィアだけとは限らないじゃないか!と思ったので(笑)。

夫の前では可愛い女子、ありえそうですねw

2014/11/18(Tue) 20:07 | URL  | サラ #ndrEhoxc[ 編集]
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