2015年04月09日 (木) | Edit |

河島みどり
「ペテルブルクの薔薇 ロマノフの血を継ぐ女帝エリザヴェータ」


「ご結婚なさらないのですか?」
32歳の未婚の女性に、こんなことを尋ねるのは、大きなお世話のコンコンチキなのですが、歴史上の人物でもあり、ちょっとした歴史ばなしとして「エリザヴェータさまの未婚事情」を話題にします。

ロシアの女帝エリザヴェータは、かの大帝ピョートルの娘です。
父大帝の死後、迷走するロシア政界の権力争いのなか、1741年、近衛軍の支持を得てクーデターを起こし、幼帝イヴァン6世を廃位に追い込み、自ら帝位につきました。

翌年には、故人である姉アンナの息子ピョートルを、皇太子としてロシアに招いています。

え?
ちょっと待ってよ、エリザヴェータさま。
あなたまだ32歳ですよ。
十分に、妊娠も出産も可能ですよ。

なんで結婚して跡取りを作ろうともせずに、甥っ子を後継者にしちゃうんですか?

問うてみましたが、理由は容易に想像できます。

仮説その1.
国内から選ぶのであれ、国外から選ぶのであれ、婿選びによって再び権力争いが勃発する。即位したばかりのエリザヴェータの最優先事項は「政局の安定」であった。

仮説その2.
仮に婿選びを乗り越えても、結婚後すぐに世継ぎが生まれるとは限らない。子が産まれても、名実ともに皇太子として認められるまでに育つにはさらに年月がかかる。「政局の安定」の為には、今現にそこそこ成長済みのピョートルの方が適切であった。

仮説その3.
結婚すれば夫に従わなければならない。特にロシア正教は、夫が折檻によって妻を死に至らしめても正当とみなすほどに、夫の優位を認めている。
全ロシアに君臨する我が身が、なにゆえに、夫と言う名の支配者を頭上に戴かねばならないのか。

君主には後継者を作る義務があるとはいえ、結婚に踏み切らなかったのもむべなるかな、と思います。

さらに想像をたくましくすれば、ピョートルの実母である姉のアンナが出産後、日ならずして死んだ事が、妊娠、出産をためらわせる要因になったのかもしれません。

なおエリザヴェータは、早死にした婚約者を慕って一生独身を通したとの指摘もあります。
否定はしません。
思い出の中に生きる婚約者は現実の男と違って、いつまでも色褪せぬままエリザヴェータの心を魅了したでしょう。

いろいろ書き連ねましたが、結婚しなかったので、婚家で「嫁」の苦労を味わずにすみ、妊娠・出産の危険にさらされることもなく、面倒な政治は側近に丸投げし、革命の足音も遠い時代に生き、衣装道楽、宝石道楽、美男道楽としたい放題に生きたエリザヴェータさまは、とても幸せな一生だったと思うのです。

ドイツの小領主の娘からロシアの「大帝」となったエカテリーナが「学び、愛し、征服し、君臨し、貪欲に邁進した」幸福な一生であったのと同様に。


比べて、二人に挟まれたピョートルの人生の悲惨さよ・・・(泣)。


「陰の男たち 女帝が愛した男たち(2)」
著者:テア・ライトナー
訳者:庄司幸恵


ピョートルはロシアに連れてこられる前も幸薄い育ちであったこと、君主として、けっして無能ではなかったことが述べられています。


杉田幸子「マルタとマリア」

新約聖書に登場するベタニアの裕福なきょうだい、姉マルタ、弟ラザロ、妹マリアの三人は、イエスのお友達です。

この三きょうだいについて、なんとなく昔っから気になってることがあります。
大きなお世話とも言うのですが。

「お三方とも(当時としては)いい年とお見受けしますが、ご結婚してらっしゃないのでしょうか?」

わーー、ごめんなさい。
これまた大きなお世話のコンコンチキです。
コンプライアンスもへったくれもない、田舎のおっちゃん、おばちゃんの感性です。
普段はこんな下世話な詮索は絶対してません。
歴史上の人物でもあり、ちょっとした歴史ばなしとして話題にさせてください。。

名高い「ラザロの蘇生」後、イエスも交えた祝宴で切り盛りにてんてこまいしているのは姉のマルタ。
宴の手伝いをうっちゃらかして、イエスの語る言葉に聞き入っているのは妹のマリア。
おそらくそこに座しているラザロ。
それぞれの配偶者は・・・?

この祝宴、おそらくラザロの家で行われたと思うのですが、出張ってるのは姉のマルタで、ラザロの妻らしき女性の気配がない。
マルタはなぜ女主人然として、切り盛りしてるんだ。
もしや、未婚で弟と同居しているのか?

さて、三きょうだいは独身なのでしょうか?
この時代、特に女性は結婚年齢が低かったと思うのですが、マルタもマリアも独身なのでしょうか?
みな結婚せずに一緒に暮らしてるの?
親は、親せきは、ご近所さんは、誰もなにも言わないの?

きょうだいは20歳は過ぎてるだろうと思ってるのですが、もしや三人ともうんと若いの?結婚できないくらいに。けれど、だったら、大人の保護者が必要でしょう。
三きょうだいで一緒に暮らしているようなので、やっぱり、三人とも大人ですよね、きっと。

当時は「結婚」しているってことは大事だったと、読んだことがあります。
今風の「世間体」ってことじゃなく、「共同体」として、家系を継承していく、子孫を残していくことがとても重要視されていたから。
だから、聖職者も独身制ではなかった。

なのに、三きょうだいとも、すでに結婚可能年齢に達しているようなのに、配偶者がいない様子なのが、ちょっと不思議なのですよ。

聖書に書かれたことが全てである、とは限らないので、「配偶者」について書かれていないだけで、実は三人とも結婚していて、配偶者もちゃんといたと考えるのが一番妥当かなあ。

しかるに、リウィアは帝政ローマの創始者にふさわしい、理想的な伴侶であった。

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