2015年08月25日 (火) | Edit |
再録エントリですが、以前いただいたコメントは未再録です。コメント、ありがとうございました。


DVD「ローマン・エンパイア」
2004年発売
監督:ロジャー・ヤング
主な出演者:ピーター・オトゥール、シャーロット・ランプリング


原題「IMPERIUM」は、「ローマン・エンパイア」のタイトルで、2004年、DVDとして日本で発売されました。
おそらくは日本では初めての、アウグストゥスを主人公とした媒体です。

日本でも山ほど出ている、クレオパトラものでは常に、クレオパトラの敵として、「カエサルの名を盗んだ男」であり、卑怯で、陰険で、狡猾に描かれるアウグストゥスが、ようやく主人公として貶められることなく、描写された作品です。

しかしながら、日本版DVDはカットが多いです。
完全版178分に比して、日本版は117分。
約60分がカットされています。

なので、日本版でカットされた場面を備忘録がてらメモしておきます。

赤文字が日本版でカットされた場面です。

アウグストゥスの臨終から始まる。
Augustus(以下Aug) “Did I play my part well in the comedy called life?”
アウグストゥスに道化の仮面をかぶせる。
リウィア他、床の周囲の人々が拍手をする。


◆場面は一転して紀元前12年に。
アウグストゥスが民衆と触れ合い、ガイウス、ルキウスの孫たちおよびユリアも登場する。
アウグストゥスを暗殺しようとする者が現れるが、からくも助かる。

サウナでくつろぐアウグストゥスの元にアグリッパの死の報が届く。

お風呂で戯れる孫二人と、子どもたちをあやすユリア。
そこにやってくる失意のアウグストゥス。


ともにアグリッパの死を悼むアウグストゥスとユリア。 アウグストゥス、アグリッパと共に歩み始めた若い日々を回想する。

◆回想場面。
咳きこみつつも、スペインで戦う大伯父カエサルの元に赴く支度をするオクタウィアヌス。
母アティアと姉オクタウィアが心配して引き留めるが、オクタウィアヌスの決意は固い。

弟の決意を汲んだオクタウィアは、がらりと態度を変える。
 Octavia “Of course. Now I see the great Caesar calls you to battle. You are obvrously fierce warrior.”
憎まれ口をたたく姉に笑顔でとびかかるオクタウィアヌス。姉と弟のおっかけっこが始まる。
勢い余った二人が玄関を飛び出すと、そこには騎乗したアグリッパが待っていた。
オクタウィアヌスは姉にアグリッパを紹介する。
Aug. “The great soldier of the future, Marcus Agrippa, has arrived”
“and who’s already slain the heart of my sister.”
戯言を口にする弟を軽くぶって、オクタウィアは身をひるがえして家の中に戻る。


母アティアに別れを告げ旅立つオクタウィアヌス。
アグリッパと共に未来への希望に胸を躍らせる。

◆ローマに着くとルキウス・ティトリウスに出迎えられる。
アントニウスと出会う。
大伯父カエサルの「寛容」に不満げなアントニウス。

アントニウスが去った後。
Tutilius “You’re lucky. you still have your head.”
Aug. “We leave at dawn. I just want to show my friend the City. We’ll stay on the main streets, I promise.”
ティトリウスは「カエサルの甥の頼みは拒絶できん」と苦笑して大目にみる。

深夜のローマを歩くオクタウィアヌスとアグリッパ。
繁栄とは無縁の貧しくすさんだ雰囲気を目にする。
物乞いにすがりつかれ、窮状を切々と訴えられる。


リウィアとの出会い、そして拒絶。

スペインへの行軍場面。
やたらに咳きこむオクタウィアヌス。騎乗をやめ、小さな荷車のような馬車に横たわってスペインに着く。
カエサルとの再会。
一平卒と共に砦作りに精を出すカエサルを見て、オクタウィアヌスも参加する。
けれど、すぐに倒れてしまう。


テントの外で会話を交わすカエサルとオクタウィアヌス。

二人でセクストゥスの砦を偵察に行く。
ローマ人同士で戦わなければならない内乱の苦悩を語るカエサル。


ムンダの戦いはカエサルの勝利に終わる。
奮戦し、傷を負ったオクタウィアヌスを「息子」と呼び抱きしめるカエサル。

◆場面は再び現代へ(紀元前12年)戻り、娘ユリアに思い出を語る、老いたアウグストゥスの姿が描かれる。

そして、アグリッパの訃報を聞いたリウィアがアウグストゥスに後継ぎを早急に決めなさいと促す。そんなリウィアの意志をやんわりと退けるアウグストゥス。リウィアもごり押しはせず、退室する。

寝室で物思いにふけるアウグストゥス。
そこにユリアが息子を二人連れてくる。
父親を失った子供たちに、さらに祖父まで失わせる気か、と。
アウグストゥスは微笑み、腕を広げて孫たちを呼び寄せる。

◆喪の期間が過ぎ、アウグストゥスとリウィアの間で後継者を巡る会話が交わされる。
Livia “Too much time has pssed while you mourned, Agrippa. You must make Tibrius your heir.”
Aug “Your son is a good soldier, nothing more.”
Livia “Of course blood”
Aug “I spent my life guarding the Empire from the great of noble”
Livia “He is only choice you know it. He’s worthly admit it. You made him a general as you did his father”
Aug “And how’s your old first husband. The dullael? Pity your son”
Livia “Pity your daughter lacks the respectability of your first wife. ”
Aug “What does that mean?”
Livia “Julia is going out again tonight with her noble friends who are not your admineres.
One of them probably paid to have you killed a month ago.”
Aug “I publicly nominated my two grandchildren a my heirs, as Caesar did with me.”
Livia “The Senate will not accept them. They will my son.”
無視して手元の書類を見るアウグストゥスにリウィアはつぶやく。
「子どもたちが死んだら?」
アウグストゥスは書類から目を離し、リウィアに視線を向ける。


(感想:寒々とした会話ですが、部長とエーベルバッハ少佐の「陰険な漫才」のように微笑ましく(?)思えたわたしは贔屓の引き倒しというものか。)
 
不吉な言葉を振り払うように、ユリアの部屋を訪れ、孫たちの無事を確かめる。
しかし、ユリアはドレスアップし外出の支度をしていた。
とがめる父親にユリアは反駁する。
Julia “I have always everything you’ve asked of me you already have what you want, Father. My sons.” ”Now let me live.”
ユリアは父を振り払い外出する。


◆ユルスとユリアの密会。

ユルスとスキピオの密談。

◆ティベリスにユリアとの結婚を勧めるリウィア。拒否するティベリウス。
一方、アウグストゥスも孫たちへの中継ぎとして、ティベリウスを起用する事を検討し、その為、ユリアにティベリウスとの結婚を命じていた。

◆再び回想に戻る。
ムンダでの勝利を祝う凱旋式の挙行。
クレオパトラの登場。

オクタウィアヌス、リウィアと再会する。

広場で公開裁判が行われる。
キケロが弁護人にたったにも関わらず、貴族が敗訴となる。

◆以前、オクタウィアヌスに物乞いした老人が、感謝してオクタウィアヌスに額づく。

◆場面は変わって、カエサルとオクタウィアヌスの会話。
ギリシアに行けと言われ、戸惑うオクタウィアヌス。

◆オクタウィアヌスとリウィアの逢瀬。
リウィアは階段から下りてくる。
Aug “Thenk you for meeting me.”
Livia “You look frightend.”
Aug “Tell me what you know Caesar hides the trth from me. ”
Livia “I only hear rumors”
Aug “He’s ordered me to leave Rome.”
Livia “Obey his command.”
Aug “Why?”
Livia “There are plots.”
Aug “There are always plots.”
Livia “You can do nothing to help him here. ”
Aug “What can I do help him ther? ”
Livia “Learn to be a soldier, an orator, a politician.”
Aug “I don’t want be a politician.”
Livia “Then you don’t love Caesar. Even he knows he can’t rule with force clone.”
 リウィア、階段を下りきってオクタウィアヌスと向かい合う。
Aug “But you hate him, hear him.”
Livia “Yes.”
Aug “Then why do you help me?”
二人、見つめあい、口づけする。

◆場面一転。
S.P.Q.Rの旗の下、カエサルは内乱終結の演説を行う。
それを不穏な表情で見つめるキケロ。
そして、ブルートゥスが登場する。


◆マエケナス登場。
「わたしがガイウス・マエケナスよ~。愉快な旅のお供よ~。」
オクタウィアヌスは笑いをかみ殺し、アグリッパは呆れている。

 アポロニアにて、オクタウィアヌス、アグリッパ、マエケナスで海辺にピクニックに行く。
自分たちの将来を、ローマの未来を語り合う三人。
杯を手に、不変の友情を誓う。
Maec “Swear that we never let anything destroy this friendship. ”
Aug&Agripa&Maecenas “Never!”
カンパーイ。


下記はYoutubeで見つけた該当場面の動画です。



(感想:見ていて照れる、照れる、照れる。今どき、ドラマチック史劇でしかお目にかかれない、「友情の誓い」の場面です。)

アポロニアで軍事訓練を受け、負傷したオクタウィアヌスは、テントで休息している。
そこにカエサル暗殺の報が届く。

・・・都合によりここからは、英語セリフ引用はなし。
赤文字ではありませんが、全て日本語版ではカットされた場面です。

◆オクタウィアをアントニウスと結婚させる事に、アティアが難色を示す場面が有り(詳細後述)。

◆「設計図を見るアグリッパと二人」の場面有り。
日本版での、(a)ブルンディシウムの場面と(b)ベッドでまどろむアントニウスをクレオパトラがたたき起す場面との間にあります。

(a)で、オクタウィアとの縁談が提案された後、オクタウィアヌスがアントニウスともども実家を訪れ、姉に縁談を告げる。
弟のために涙ながらに承知するオクタウィア。その後、姉に犠牲を強いる息子を罵倒するアティアとのやり取りがあって、いきなり場面転換し、前述のシーンになります。

小さい滝に見えますが、字幕では「spring」。泉?
辞書を引いたら「源泉」の意味もあるので、あとの会話からすると、そちらの方がふさわしいかも。
このspringを元にして、今までにない大規模な水道橋を作る夢を語るアグリッパ。
「ついに建築家になるチャンスをつかんだわね」とからかうマエケナスをしりめに、アグリッパは設計図をオクタウィアヌスに手渡す。
受け取った設計図でマエケナスをはたくオクタウィアヌス。
一方アグリッパは、springに近づき、手に持った二杯のコップで水を汲む。

この水は将来40000人の市民を潤すと、乾杯を勧めるアグリッパ。
マエケナスは不潔(?)な水をいやがったので、オクタウィアヌスとアグリッパだけで乾杯する。

ところが、オクタウィアヌスはマエケナスの肩を抱くと、いきなり頭からコップの水を浴びせる。アグリッパも続く。
三人でじゃれないながらspringまで行く。

そして、場面はエジプトに変わり、クレオパトラの寝室でまどろむアントニウスが映ります

◆離婚後、弟に怒りをぶつけるオクタウィア。
状況がよくわからないのですが、オクタウィアヌス、オクタウィア、その他兵士たちがどこかを行進していて、オクタウィアは徒歩で進んでいます。
離婚に終わった政略結婚を強いた弟に対して怒っていて、オクタウィアヌスが馬に乗ってくれるよう懇願しても頑として聞き入れません。

◆アントニウスの遺言状が収められた箱を取り出すリウィア。
経緯はよくわからなかったんですが、この箱をリウィアがおもむろに取り出しました。
マルティナ・ステラ演じるリウィアの出番はこれでおしまい。
むっちりした二の腕が眩しかったです。

◆クレオパトラの臨終場面。尺が長い。
さすがこのドラマのお色気担当。
死の場面というよりは、一人でエクスタシーに到達しているかのような全身の演技を、足先から頭のてっぺんまで舐めまわすようなカメラアングルで捉えていました。

◆クレオパトラの死後、オクタウィアヌスに玉座を指示し王となるよう勧めるマエケナス。
と、思ったのですが、数回の言葉のやり取りがあって、マエケナスがいきなり
「愛してる」「あなたを死なせたくない!」と声を荒げ、オクタウィアヌスにキスしたので、「王になるな」と言ったのかも。
いずれにせよ、マケナス→オクタウィアヌス、キスの衝撃場面です。
アグリッパは見てるだけだったと思います。
この扱いで、どうして、アウグストゥスにとってのアグリッパが「どんな女よりも愛した男」になるんですか?

◆どーんと時は流れて、ガイウス・カエサル、ルキウス・カエサル、孫二人の火葬を見守るアウグストゥスとリウィア。
リウィア「アウグストゥス、あなたも皆が噂する通り、わたしがあの二人を殺したと思ってらっしゃるの?」
アウ「運命だよ、運命」

と、いう会話(英語字幕)だったと思うんだけど・・・。
アウグストゥスの返答が今一つ理解できませんでした。

いや、しかしアウさん、そこはキッパリ否定してやってよ(泣)。

個人的には、日本版でここがカットされたのが一番痛いです。
セル版しか知らない人(日本人購買者)には、リウィアが実子を後継者にするために、義理の娘と対立し、義理の孫たちを葬った人物だと脳内にインプットされたんだろうなぁ・・・(泣)。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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コメント
この記事へのコメント
ノーカット版切に希望!
どもども!いやはや。こんなにもカットされているんですね!?これでは日本の古代ローマファンも、勘違いすること間違いなしですね!
これって英伊合作のImperium series.なんですよね?ネロの事も描いたやつも結構カットされてますね。何がいけないんでしょうか?カットする意味が分からないですね。
HBOの「ROME」はカットなしのブルーレイが日本でも発売されました!(しかも吹き替えつき!英語のシーザーよりカエサルって言っている吹き替えの方がしっくりきます)。是非とも、各メーカにはコンプリートブルーレイー版を出してほしいです!!

2015/08/27(Thu) 12:37 | URL  | Josh #r13xZNus[ 編集]
Re: ノーカット版切に希望!
>Joshさま

こんばんは。

> これって英伊合作のImperium series.なんですよね?ネロの事も描いたやつも結構カットされてますね。何がいけないんでしょうか?カットする意味が分からないですね。

完全版だと諸経費がかかる→売値が高くなる→売れにくくなると判断して、売値を抑える為のカット編集じゃないでしょうか。
日本語吹き替えや字幕のお金がかかりそうですから。

Joshさまは英語お得意のようですし、もしリージョン1再生可能な機器をお持ちでしたら、DVDが発売されています。

> HBOの「ROME」はカットなしのブルーレイが日本でも発売されました!(しかも吹き替えつき!英語のシーザーよりカエサルって言っている吹き替えの方がしっくりきます)。是非とも、各メーカにはコンプリートブルーレイー版を出してほしいです!!

Joshさまの書き込みでブルーレイが気になってアメリカAmazonで検索したら、「Imperium」ブルーレイ版出てました。
残念ながら、リージョンB/2なので、こちらも日本では再生不可ですが。。。

2015/08/27(Thu) 21:15 | URL  | サラ #ndrEhoxc[ 編集]
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