2015年11月20日 (金) | Edit |


Part2  Octavian in the West(40B.C. to 39B.C.)

まず、「スクリボニアとの離婚」を紹介します。

リウィアへの恋を胸に秘め、ローマに戻ったオクタウィアヌスでしたが、早々に、秘密を打ち明ける相手がいないことに気づきます。

彼が信頼している姉オクタウィアは、アテネに向かうアントニウスに同行する予定で、旅支度に夢中になっています。
それに、もし姉に打ち明けたとしたら、アントニウスに、ばれてしまうかもしれません。
そうなったら、我慢できないほどの意地悪い仕打ちを受けるでしょう。

ははははは、オクタウィアヌス、お前も自分の下半身に支配されているようだな!

アントニウスの嘲笑が聞こえるようでした。
アントニウスのことを頭から追い払い、アグリッパのことを考えました。
ナルボでアグリッパに会えば、きっと知恵ある言葉を聞かせてくれるにちがいない、と。

この後、恋の熱情が、オクタウィアヌスの冷たい論理性や感情を抑圧し、混乱や、疲労や、熱情にさいなまれた挙句に、目に見えて痩せてしまいます(恋煩いか?)。
マエケナスはローマを留守にしていて、都合がいいと言っているのですが、理由は読みとれていません(スクリボニアの味方だから?)。

さて、悲劇が待つスクリボニアさんですが、きわめて穏やかな妊娠期間をすごし、安らかに赤ちゃんを産み落としました。
非の打ちどころのないほどに美しい、亜麻色の髪、大きな青い瞳の女の子です。
スクリボニアは、先の結婚で儲けた娘コルネリアを産んだ喜びを忘れるほどに、この娘に夢中です。
そして、かつてないほど、冷淡で几帳面な夫への愛情が深まりました。夫がスクリボニアを愛していないことも、今では大きな悲しみではありません。

彼は彼女に優しく接し、そつなく、礼儀正しく敬意をもって約束してくれました。
スクリボニアが産褥から回復したらすぐに、寝室を訪れようと。
次は息子が授かりますようにと祈らずにはいられません。

ここの箇所は、スクリボニアの願望なのか、それとも実際にあったことなのか不明です。
願望や、空想を指す単語は見当たりません。後のことからして、オクタウィアヌスがこんな態度を取るとは思えません。でも、リウィアを知る前のオクタウィアヌスならありうるかも?

いずれにしろ、スクリボニアさんが気の毒です。

さて、ローマに帰還したオクタウィアヌスですが、いつもとは違います。
忠実な召使のブルガンディヌスによれば、フレゲラエを散策して戻ってきたら、オクタウィアヌスの様子が今まで見たことないほどに一変していたといいます。
スクリボニアさんは、夫の身を心配せずにはいられません。
「あなたには体力が必要だわ。さあ、召しあがって」
「明日には、ナルボに向かわれて、お好きな食事もできなくなります。さあ、カエサル」
彼女が選んだ特別な御馳走を勧めましたが、オクタウィアヌスは怒り出し、足音荒く、寝椅子から立ち上がりました。
「いい加減にしろ!態度を改めたらどうだ、スクリボニア。おまえはまるでトガリネズミ(口やかましい女)のようになっていく。」
「ああ、これはちょうどいい。おまえこそ、まことにトガリネズミだ。口やかましい女め!」
この出来事の後、翌朝、旅立ちの馬車の音を聞くまでスクリボニアがオクタウィアヌスを見ることはありませんでした。

滂沱と涙を流しながら、スクリボニアはブルガンディヌスに訴えます。
「あの人は行ってしまった、わたしにさよならも告げずに!」
ブルガンディヌスは同情に満ちて、オクタウィアヌスから預かった手紙を渡します。

一読して、スクリボニアがとり落としたその手紙は、離縁状でした。
「本状によって君を離縁する。
理由は次の通りだ。口やかましく、年よりで、不作法、性格の不一致、浪費癖。」
この後、即刻、ユリアを連れて、オクタウィアヌスの家を出、旧宅に移るよう指示があり、その他、こまごまと、ユリアを貴族身分にふさわしく育てるようにとか、不品行がない限り生活費は支払うとか記してあります。

が、スクリボニアさんがこれで納得するはずもなく、ブルガンディヌス相手に哀訴するのですが、彼にはどうしようもありません。ただ、スクリボニアとユリアに限りない同情を寄せるのみです。

離婚のくだりのオクタウィアヌスは、冷酷というより、ただのモラハラかつDV亭主に見えます。
ここらへんが、米国Amazonレビューで触れられている「安っぽいキャラ設定」でしょうか。

続けて、「オクタウィアヌス対クラウディウス・ネロ」に参りましょう。

求婚交渉の為、クラ・ネロ邸に赴く前に、オクタウィアヌスは自宅にてフィリッピ戦のこと、アントニスのことを考えています。ごめん、詳細は読み取れなかったですが、いろいろ考えた終わりに、小カトーに思いをはせ、「クラウディウス・ネロは小カトーだ。ただし、知恵の無い小カトーだ」と断定しています。

さて、邸宅を訪れたオクタウィアヌスを、クラウディウス・ネロ部屋に招き、机の向こう側に立ったまま、尊大に迎えます。
目の前に立つオクタウィアヌスを冷ややかに見つめ、彼が若くして執政官を経験しているのに、自分は法務官どまりであることを苦々しく思い出します。

「カエサル・オクタウィアヌス、ご用件はなんですかな」
簡潔が最善だ。
「貴殿の奥方を所望する」
その返答にネロは言葉を失います。
「馬鹿げている!」
「わたしは本気だ」
「しかし、しかし、ありえない!・・・卿はわたしの妻を欲すると!?」
「その通り」
「あの女は不貞だ!きさまと・・・」
「彼女は貞女だ。わたしは彼女とフラゲリエの遺跡で一度会っただけだ」
ネロは問います。
「あんたは何のために彼女を望んでるんだ?」
「婚姻を」
「あれは不貞であったにちがいない!腹の子もきさまの子だ!あの女を罰してやる。呪われてあれ!あんたは容易に彼女を手に入れられない。あれの不貞を皆が知り、皆がちくちく噂するであろう」
「彼女はあらゆる不貞から無垢だ。ネロ、もう一度言うが、わたしは彼女と一度会ったきりだ。その一度が始まりであり、終わりだった。彼女の立ち居振る舞いはわたしを魅了した」
オクタウィアヌスの目の中に真実を見出したネロでしたが、我慢の限界にきていました。
「だが馬鹿げている!他人の妻を欲するなど。あんたはわたしにどんな返事を期待してるんだ!?あんたが望むようには絶対にならない!」
オクタウィアヌスはにっこりとほほ笑みました。
「ホルテンシウスの前例がある」

ここでホルテンシウスが妻を小カトーに譲った事例の説明が入ります。

返答に詰まるネロでしたが、しぶとく抵抗しようとします。
そこにオクタウィアヌスがとどめを刺します。
「君はどっちにしろ破産寸前だろう?資産の保全を取り計らってやろう」

ネロは取引に応じます。
金が保証されれば、新しい妻を娶ることも、高位高職を得ることも可能なのですから。

ということで、オクタウィアヌスは自分の妻と離婚し、リウィアを夫と離婚させることに成功したのでした。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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