2017年05月01日 (月) | Edit |
(注意)ネタばれ有り。





  
石川オレオ「黒脳シンドローム」1巻、2巻、3巻
(読みは「くろのう・しんどろーむ」)


LINEマンガ連載サスペンス・ホラージャンル読者数堂々1位!!
「元の体を返してほしかったら、マネキンゲームに参加する?」
交通事故で瀕死となった高校生・雪村は、"全くの別人"の姿で目を覚ました。
スピーカーを通じて謎めいたミッションが下され、命がけのゲームが幕を開ける!!緊迫のサスペンススリラー!!【LINEオリジナル・フルカラー】
(1巻内容紹介より引用)



3巻まで読んだ時点での感想になりますが、読み易い作品でした。
ここでの「読み易い」は「お話が単純」ではなく、「不快な点がなかった」との意味です。

(追記.掲載サイトにリンクしときます。何話か無料で読めます。
外部リンク:【【連載マンガ】LINEマンガ「黒脳シンドローム」】


具体的には、「女性キャラがエロ要員ではない」
女性キャラが不自然、自然問わず、乳房やお尻を露出させていない。
女性キャラへの盗撮目線の構図がない。
・・・全部同じこと言ってるじゃんと、つっこまないで。

本作はKindle unlimitedで知りました。わたしが加入時は、1巻のみ対象になってました。

当時、何冊読んでも会費は同じなので読まねば損々♪と、普段読まないジャンルも読み漁った結果、知りました。
「ステージ・クリア式ゲーム」みたいなジャンルがあることを。

便宜上、「ステージ・クリア式ゲーム」と表現しましたが、正式名称はわかりません。そもそも、ジャンル名称があるかどうかも知りません。
本作「黒脳シンドローム」の他に「奇少物件100LDK」、「オンライン The Comic」、「僕たちの生きた理由」、「マッシブドライブ」、「王様ゲーム」、「ドクムシ」、その他いろいろ、「条件をクリアして、次のステージに進んでいく、あるいは、勝ち残る」タイプのまんがです。パニックもの、サバイバルものの要素もありです。
(本作3巻のあとがきで「デス・ゲーム」との名称を知りました。)

そして、この手のジャンルのまんがって、作品によって異なるとはいえ、わりかし、エロ・グロ・センセーションが三本柱のように思いました。

特に、女性キャラの扱いがむごい。
エロ要員であり、「エロ」の一環なのか、女キャラへの加害が、性的な加害も含めて、目立つ。ネットスラングで言う「リョナ」要員でもあるんだろうな。
小学生女子にパ××ラさせてるまんがもあった(中学生以上ならいいってわけじゃない)。

いい気分はしなかったけど、どうせ読み捨て、スルー、スルーと流して読んでいたなか、本作は違った!
先に書いた通り、女性キャラがエロ要員になってない!リョナ要員にもなってない!

女性キャラがエロ要員じゃないよ。
女性キャラのパ××ラがないよ。
(小学生女子がアクションしてるのに、スカートがめくれてないよ!ももチラもないよ!)
女性キャラのエロ・アクションがないよ。
女性キャラへの盗撮目線の構図がないよ。

こんなに楽な気持ちで読めるなんて。
女性キャラのエロ要員扱いを、多分男性読者向けなんだろう、メイン読者受けを考慮するのは当然のこと、しかたない、と、流して読んでいましたが、やはり、自分にとっては「不快」であり、作品の出来不出来に関わらず、不快である気持ちを封じ込めずにおこうと思いました(声に出して批難するってことじゃなくて、自分の胸中に湧いた「不快」さを容認するってことです)。

さて、ここまで述べた点だけなら本作はわたしにとって、「マイナス要素がない」にすぎません。
プラス要素を語りますと、

プラス要素その1.
好感を持てる主役、雪村ヒロト。
作中で嫌悪感たっぷりに「ナル野郎(ナルシスト)」と言われてましたが、自分が定めた目標に対して、しっかり己をコントロールできている、立派なこです。
座右の銘は「自分を保て!」。

また、女性キャラ(小玉さん)に対する態度も礼儀正しいです。
呼びは「さん」づけ。言葉遣いも、女子に対する高校男子キャラにしては丁寧。
小玉さんとの親密度が低いってことでもあるんだろうけど、高校男子キャラだと、同級生女子を「お前」呼びして、乱暴な言葉遣いをしてる場合が多いから、この点でも雪村くんには好感を持てます。

プラス要素その2.
お話自体面白いです。
デス・ゲームとのことで、謎がちりばめられていて、毎回スリルとサスペンスに満ちていて、わくわくしてページを繰ることができます。
しかも、先に書いたように、エロ要素、リョナ要素がないから、読み易いこと!

プラス要素その3.
1巻おまけまんが。
読み放題で読んだ時、これで本作の好感度がグン!と上がりました。

一文でまとめれば、「雪村くんが、クラスメイトの山下くんの為に、お弁当を作って持っていくお話」。
しかし、好感度の理由は料理男子の雪村くんではなく、山下くんです。

お弁当を作ってくれている親が最近ちょっと忙しく、パックごはんとツナ缶でお昼をすませている山下くんが、雪村くんの手作りお弁当(健康的な具材詰め合わせ。見た目もよくて、美味しそう)を見たセリフ。

「俺も料理、勉強すっかなー・・・」



「(雪村みたいな)弁当を作ってくれる彼女が欲しいーーー」じゃなくて、自分が「料理の勉強をしよう」。いいこだ。

そして、実際に雪村くんの手作り弁当をごちそうしてもらって、その美味しさに感極まって口にしたセリフ(ふきだし内ではなく手書き文字)が、

「俺も料理を勉強するわ・・・!」



いいこだ、いいこだ、いいこだーーー!
「今夜もコンビニ飯 嫁さん欲しいなあ」野郎に、爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

関連エントリ:【ハーレクイン・コミックス感想 クッキング・ヒーロー特集】



他に感想をつらつらと。

◆プラス要素の項に挙げようかと思いましたが、こっちで。
絵柄もわりかし好感が持てます。

「わりかし」って何か失礼な言い方ですが、わたしの絵柄の好みが、さいとちほさんと原ちえこさんなので、両者とはがらりとタイプが違う本作の場合、「わりかし」との表現を使わせていただきます。

ユニセックスと言うのか、平たく言えば、「萌え」な絵柄じゃないとこが好ましいです。
(「萌え」とは何かとの問題もありますが、わたしは、女性をエロエロしく描くに適した絵柄と思っています。ただ、そうすると、女性読者向けの萌え絵はどうなるかとの疑問が生じますが、「萌え」を論じる気はないのでここまで。)

◆わたしは雪村くんより検索が下手なのか、「宇宙 メダカ」でぐぐっても、今後の展開のヒントがいまいちつかめない。
わからない方が楽しめるので、深く追求しないでおきます。

◆冒頭で事故に遭った雪村くん、浅黒い出血や黒い上着の色でぼかしてるけど、胴体切断されてますよね?
この状態から生存させることって可能なの?

最初は、まんが(作り話)だから何でもありよね、超常的な医療技術で済んじゃうよね、と納得してましたが、もしや、オリジナル雪村とは別のオリジナル同様の別の体が用意されて、そこに脳を移植されているのかも、と、考えたのですが、1巻6話に治療中の映像が映ってたわな。

しかし、蘇った幸村くんの身体がフェイクでなければ、胴体切断、さらに、右腕も切断されたオリジナルの身体を元通りに修復したってことになります。

◆雪村くんは、なぜ黒木将弘くんを嫌ってるのか。

半世紀ほど前のまんが(※)なら、「同性愛者からの求愛なんてまっぴらに決まってるだろ!」で済むかもしれませんが、本作は(多分)2015年頃連載開始の現代の作品です。
バックラッシュが強いとはいえ、同性婚が容認されている国もある現代で、「同性愛者だから嫌悪している」と理由づけするわけにはいかないと思います。

(※)たとえば、「ベルサイユのばら」でオスカルが、同性愛(レスビアン)に対して嫌悪を露わにしていました。

参考外部サイト:【百合漫画におけるジェンダー規範からの脱却】
全文興味深いのですが、中盤「社会のホモフォビアからの脱却」項に、「年代を遡るほどホモフォビックな描写が目立つ」作品への指摘があります。



黒木くんは雪村くんが好きで告白済みです。
黒木くんの告白に対する雪村くんの反応は、拒否であり、嫌悪でしたが、オスカルのように、生ごみを拭いた雑巾をぶつけられたような、強烈なものではないので、なぜなのかなと。

仮説1-1.雪村くんは異性愛者なので同性愛は受け入れられないから。
仮説1-2.雪村くんはアセクシャルなので同性愛、異性愛に関わらず、恋愛関係は受け入れられないから。

仮説2.林間学校で就寝中、いきなり耳たぶをなめられたから(性的な接触って、段階を踏んで、相手とそうできるくらい親密なってから行うものだと思います。了解すら得ていない告白の前って、順序が違うよ。黒木くんは、いわば、雪村くんの人格を侵害したといってもよいのでは?)

仮説3.友人だと思っていたので、裏切られた気持ちだから。
(しかしこの場合、「友人と思っていた女性」からの告白であれば、面喰っても「裏切られた」とは感じないだろうから、「同性愛」ってのがやはりキーか)

仮説4.表現の自主規制、あるいは真逆に出版界の成熟。
性的マイノリティへの関心のたかまりと、理解が求められる現代で、オスカルのような態度を描くことはできないから、雪村くんの嫌悪をソフトに描いている。
さて、この場合は、出版界内部の事なかれ主義の自主規制なのか、それとも、成熟なのか。両者は真逆です。わたしは後者であって欲しいですけど、今の出版界の動向(発表される作品そのものだけでなく、SNSでの発言など)を見ていると、あんまり信を置けないんですよね、残念ながら。

◆わたしのようなボンクラ向けの親切設計。

「なんで毎回ペナルティが目玉なんだ。
いつも左目を取ることに意味はあるのか・・・!?」
(3巻19話より引用)



雪村くんの指摘がなければ気づかなかったよ、ありがとう(笑)!

ところで、こうして緻密に伏線を張ってるならば、林間学校就寝時、黒木くんによる、いきなり耳なめからの告白コンボも、あのタイミングでなければならない意味があったのでしょうか・・・?
(すげー唐突な告白に思えたんだもん。就寝中とはいえ、周囲には同級生もいるのに)

◆岩田くんの「雪村はナルシストだから嫌い」発言を考える。

「お前って相当ナルシストだろ?
(中略)
いかにも自分のことばかり考えてるって感じだよねぇ・・・?」
(3巻19話、岩田くんのセリフから引用)



岩田くんは小玉さんと「どっちかが死んだら、遺された家族にうまく説明する」という約束を交わしています。
こういう家族思いの岩田くんにしてみれば、家族への想いを垣間見せることもなく、「俺の美しい外見を取り戻す」為にゲームに参加している雪村くんは、嫌な奴に見えるのかも、と思いました。

◆中西ルイくんを見て、あ、リチャードだと思いました(笑)。黒っぽいし、片目隠しのヘアスタイルだし。


菅野文「薔薇王の葬列」2巻

比べてみれば、リチャードは左目、中西ルイは右目で、隠している目が逆でした。
リチャードが隠している左目には秘密があるそうですが、さて中西くんはどうなんでしょう。

関連カテゴリ:【菅野文「薔薇王の葬列」】

◆マネキン役が死んだら、中の人が死ぬみたいだけど、「本物」も死ぬんだろうか?

以上、3巻までの感想です。
いちおう、レンタルでおっかけて、納得したら全巻購入する予定です。

エロ要素がないとこが気に入っている作品に、テコ入れとかで、エロ要素が入ってきたらいやですものね。。。
雪村くんの、友情の為でもなく、家族愛の為でもなく、「美しい自分の体を取り戻す」為にマネキン・ゲームに参加している、クールな性分が好きなのに、キャラ崩壊したらいやですものね。。。
竜頭蛇尾でしゅるしゅるしゅる~と終わっちゃうのは・・・、まあ、これくらいはいいか。

しかるにリウィアは初代皇帝アウグストゥスにふさわしい、偉大なる貴婦人であった。

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